等価変換法


創造性開発の技法の一つで、異なる二つのもの(たとえばAとB)の間に等価的なもの(共通点や類似点)を見つけ出し、それを手がかりに思考の流れをAからBへ変換させることによって、飛躍的なアイデアの発想を得ようとするものです。

たとえば、「クモの巣」と「小売店」とは、一見、何の関係もありませんが、クモの巣と小売店との共通点や類似点など等価的なものを考えながら、クモの巣の特性をあげてみると、次のようなことが考えられます。
獲物が向こうから来るのを待つ。
立地によって収獲が左右される。
エサが大きすぎても小さすぎてもいけない。
ときどき張り替えが必要である。

このようなクモの巣の特性の中から、小売店の経営に役立つヒントをつかんでいこうとするものです。このやり方は、わが国に昔から伝わる「なぞなぞ」によく似ています。「ケチなダンナとかけて、春の夕日と解く。その心は、クレソウデクレナイ」とか、「破れ障子とかけて、ウグイスと解く。その心は、ハルヲマツ」などの例でも、一見、関連のない二つの事柄の間に等価的なものを見つけて、思考の変換を行なっているわけです。

ところで、このような発想の仕方を電気工学者の市川亀久弥氏は次のような数式で表現しました。

Aο Bτ=Cε

この数式で、Aο(Aオミクロン)とは、変換する前の元の現象のこと(例、クモの巣、ケチなダンナ)、Bτ(Bタウ)とは、変換された事象のこと(例、小売店経営、春の夕日)、Cε(Cイプシロン)とは、式の両側を結びつけることを可能にする等価的な次元のこと(例、獲物が向こうから来るのを待つ、クレソウデクレナイ)を表わします。

このような等価変換の思考法に慣れておくと、柔軟な発想を誘発しやすくなるというわけです。

 

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