- 優秀賞
- 第10回卒業制作
- 制作者
- ファッションビジネス 4年
- 伊東優里
- 中高年女性の加齢に伴う適合服装色の変化
- 現在、日本は高齢化が進み、4人に1人が高齢者であるにもかかわらず、アパレル市場では若者向けと比べて高齢者用衣服はデザイン・色彩ともにバリエーションが少ない。また、高齢女性には地味な色の衣服が似合うという暗黙裡の意識もみられる。
そこで、本研究では同じ人物が高齢者になったとき、その適合服装色がどのように変化し、どのような要因が適合度に関与するかについて検討した。研究方法として、若年女性の顔面写真を用いて顔面の印象についてSD法による官能検査を行い、因子分析およびクラスター分析を行い顔面の類型化を行った。次に分類された3クラスターから代表的顔面を選出し、アプリケーションによって顔面を高齢化させる加工を施し、同一人物の若年時と高齢時の両者に同じ服装色を合成した試料を用いて、官能検査を行った。その結果、若年者、高齢者ともイメージ構造は類似しているが、似合う色彩はすべての被験者について大きな差が認められ、服装色によって見た目の年齢も異なることが判明した。