極楽の永住権  2002

仮設建物がひしめく下層階から、百匹のミニチアの豚が上層階に設置した天上の光に向かって階段を登っているように配置されたインスタレーション作品。
鑑賞者が中間地点に置かれた点字板 (「極楽での永住権」と刻まれている点字)に触れることで、 速過ぎるコマで日常の風景(見えない文字を含む)を映す映像と街の音を増幅させたサウンドが数秒間だけ止まると同時に、階段上の矩形の光が輝きだす。
その一時の静寂は、高速回転で過ぎ行く風景映像に隠れていた文字と、今ここで聞こえてくる環境音を意識化させ現実世界に戻させる。
<素材>コンピュータ(MAX/MSP)・プロジェクター・スピーカー・蛍光灯・鏡・テントシート・浴槽 他