いつでもどこでも巡業 ver. 2.15 2008

<巡業シリーズ>
普段何気なく眼に映っている日常の景色は、様々なモノたちと人々とが混在し微細に変化しながら常に新たな景色として更新され続けている。
我々は、それを“け-しき” (「け」; 景 / その地と人との造りし"もの"- 「しき」; 色 / "ひと" )と呼び、様々な地で、ビデオ撮影している。
一旦映像として切り取られ記録された景色は、一瞬一瞬の半透明な画像の重なりにより、"ひと"は潜像となって霧散し、"もの"だけが 「動きの景色」 として浮かび上がる。
薄らとしたざらつきを持った質量の重い煙のような不気味なコード化できないそれ(画像空間)は、生成し続けながらも固有の顔/名前をもった「風景そのもの」として立ち上がり新たな世界を見せ始める。


<ver.2.15>
基本的には「巡業ver.0.8」と同様に、プログラム処理編集により創出された “動きの景色”を映し出す三台のモニターと、同じ空間に設置したと三人の極楽人形と鑑賞者とをカメラで撮り、 プログラム処理した映像をリアルタイムにギャラリーの壁の一部に”動きの景”として映し出した作品。
ただし、“動きの景色”の映像コンテンツは,今まで以上に巡業(撮影)先で交わった人たちが入った景色が多くなっている。
また、私たちが呼ぶ「けしき」とは何かを表したテキストをギャラリーの壁に張り巡らせた空間構成をとった作品である
<素材>47inchモニター×3台+30nchモニター×1台・HDVレコーダー・ビデオカメラ・プロジェクター・ラジオ・トランスミッター・テキストシール・原寸大極楽ブラザーズ平面人形・カーペット・クション 他

<ビデオドローイング2> 大阪 天保山の観覧車より景色
  天保山にある巨大観覧車の窓に極楽三人の1/20人形を張り,大阪湾沿岸より広域にわたる街の風景を、 窓越しに撮影し独自のプログラム処理による編集をした“ビデオドローイング” 作品。観覧車の速度が遅いことと, 車内から見える景観をアナウンスする女性の声を同時に出力しているため,ビデオドローイング1 とはかなり異なり,より静止画風景により近い作品。
<素材> 30inchモニター  *観覧車の窓ガラスに縮尺1/20極楽ブラザーズ平面人形を固定して撮影