【自助具に関する用語】
自助具 Self-Help Device
「自助具」とは、心身機能・身体構造上の理由から、日常生活で困難を来している動作を、可能な限り自分自身で容易に行えるように補助し、日常生活をより快適に送るために、特別に工夫された道具である。
共用品
「共用品」とは、身体的な特性や障害にかかわりなく、より多くの人々が共に利用しやすい製品・施設・サービス。
共用品の概念
①最初からすべての人々を対象に、適合するよう考える共用設計。
②一般製品の利用上の不都合をなくすバリア解消設計。
③福祉用具がもとで一般化した福祉目的の設計。
共用品の原則
①多様な人々の身体・知覚特性に対応しやすい。
②視覚・聴覚・触覚など複数の方法により、わかりやすくコミュニケーションできる。
③直感的でわかりやすく、心理負担が少なく操作・利用ができる。
④弱い力で扱える、移動・接近が楽など、身体的負担が少なく、利用しやすい。
⑤素材・構造・機能・手順・環境などが配慮され、安全に利用できる。
ユニヴァーサルデザイン Universal Design
ユニバーサルデザインとは、文化・言語・国籍の違い、老若男女といった差異、障害・能力の如何を問わずに利用することができる施設・製品・情報の設計(デザイン)をいう。
ユニバーサルデザインの七原則
①公平な使用への配慮 (Equitable Use)
どのような人にでも公平に使えるものであること②使用における柔軟性の確保 (Flexibility in Use)
多様な使い手や使用環境に対応でき、使う上での自由度が高いこと③簡単で明解な使用法の追求 (Simple and Intuitive Use)
製品の使い方が明解で、誰にでも積極的にすぐ理解できること④あらゆる知覚による情報への配慮 (Perceptible Information)
必要な情報が、環境や使い手をめぐる能力に関わらず、きちんと伝わること⑤事故の防止と誤作動への受容 (Tolerance for Error)
事故や危険につながりにくく、安全であり、万一の事故に対する対策を持つこと⑥身体的負担の軽減 (Low Physical Effort)
からだに負担を感じないで自由、快適に使えること⑦使いやすい使用空間(大きさ・広さ)と条件の確保 (Size and Space for Approach and Use)
使い手の体格や姿勢、使用状況にかかわらず、使いやすい大きさと広がりが確保できること
ユニバーサルデザインの三付則
①耐久性と経済性への配慮
安心して長く使用でき、使い手にとって適正な価格であること②品質と審美性への配慮
品質が優れていて、機能性と審美性の調和がとれていること③保健と環境への配慮
人の健康に有害でなく、自然環境にも配慮されていること
日常生活動作 ADL (Activities of Daily Living)
日常生活動作とは、食事・更衣・移動・排泄・整容・入浴など生活を営む上で不可欠な基本的行動を指す。それぞれについて自立/一部介助/全介助のいずれかであるか評価することで障害者や高齢者の生活自立度を表現する。最近は、日常生活活動と言われることが増えてきている。ADLは、単に能力を回復するだけでなく装具や施設を対応させることでも向上させることができる。障害者でも健常者と同じように使用できることを目指した設計はユニバーサルデザインと呼ばれる。
手段的日常生活動作 IADL (instrumental activities of daily living)
手段的日常生活動作とは、電話の使い方、買い物、家事、移動、外出、服薬の管理、金銭の管理など、日常生活動作ではとらえられない高次の生活機能の水準を測定するものである。在宅生活の可能性を検討する場合は、ADLの評価だけでは不十分であり、IADLが重要な指標になるとされている。
アシスティブテクノロジー Assistive Technology
アシスティブテクノロジーとは、「支援技術」といわれる分野である。支援というと幅広いが、ここでいう支援技術は「障害者の生活を助けるテクノロジー」を指す。日本では、福祉工学やリハビリテーション工学( Rehabilitation Engineering)とも呼ばれている。