緊急シンポジウム「VRは物語を語れるか?—〈ダムド・タワー〉をめぐって」を開催しました

名古屋テレビ塔で開催中の“VR DIVE〈ダムド・タワー〉ホスピタルサイト” は、歩行型ヴァーチャルリアリティ(VR)技術を用いた恐怖体験アトラクションとして人気を博しています。この作品では、仙頭武則本学教授の企画・プロデュース・総合演出により、従来のゲーム的なVR体験とは大きく異なる映画的演出が試みられています。そこには、映画xゲーム、物語体験x現実体験、鑑賞者xプレイヤー、知覚身体xテクノロジーなど、映像メディアをめぐる今日的なテーマ群が交錯し凝集していると言えるでしょう。名古屋学芸大学映像メディア学科は、この作品を新しい映像テクノロジーと映画的話法の融合を目指す画期的な挑戦ととらえ、識者ならびに制作スタッフを交えた緊急シンポジウムを開催を行いました。

 

 

 

日時:2018年12月12日(水) 18:30〜20:00
会場:愛知県日進市竹の山57

名古屋学芸大学メディア造形学部棟 MCB210教室

主催:名古屋学芸大学メディア造形学部映像メディア学科
関連情報:〈ダムド・タワー〉公式サイト  https://www.damnedtower.com/

 

 

 

パネリスト:
仙頭武則/〈ダムド・タワー〉企画・プロデュース・総合演出、名古屋学芸大学教授
赤木健一/〈ダムド・タワー〉VFXプロデューサー、サン電子株式会社
松井茂/詩人、映像メディア学、情報科学芸術大学院大学[IAMAS]准教授

佐近田展康(司会進行)/映像音響論、名古屋学芸大学教授

 

 

=== パネリスト・プロフィール===

仙頭武則
映画プロデューサー/監督/脚本。1961年神奈川県横浜市生。カンヌ国際映画祭『萌の朱雀(97)』、『M/OTHER(99)』、『EUREKA(ユリイカ)(00)』、『UNLOVED(01)』の4作受賞、ベルリン国際映画祭『エレファントソング(95)』『独立少年合唱団(00)』など、世界12ケ国の国際映画祭で100賞以上を受賞している。代表作には『リング/らせん(98)』「美しい夏キリシマ(02)」などがある。主な脚本『死国(99)』『弟切草(01)』『ありがとう(06)』他。監督作『NOTHING PARTS 71(14)』他。名古屋学芸大学教授。

 

赤木健一
1990年サン電子入社。ソフトウェアエンジニアとしてアミューズメント(遊技機)向けのシステム制御開発に携わり、遊技機が液晶ディスプレイを採用する頃には映像制御分野のソフトウェア開発を担当。以後、多面体ホログラムやプロジェクションマッピング、VR/MRといった遊技機以外の映像関連技術の研究に従事。〈ダムドタワー〉ではVFXプロデューサー、脚本をつとめる。

 

松井茂
詩人。情報科学芸術大学院大学[IAMAS]准教授。1975年東京生まれ。映像メディア学に基づいて、マス・メディアを分母とした現代芸術の表現動向に着目し、研究に取り組んでいる。共著書に『テレビ・ドキュメンタリーを創った人々』(2016年、NHK出版)ほか。川崎弘二との共編書に『日本の電子音楽(続)インタビュー編』(2013年、engine books)、伊村靖子との共編書に『虚像の時代 東野芳明美術批評選』(2013年、河出書房新社)ほか。

 

佐近田展康
1961年神戸生まれ。みずから開発した人工音声ソフトウェアを用いた創作・研究活動を続け、三輪眞弘とのユニット「フォルマント兄弟」でも多数の作品を発表している。〈ダムドタワー〉では人工音声による劇中歌を制作。近年は「映画における〈音〉の機能」についても研究を行っている。共著書に『Maxの教科書』『2016Maxオデッセイ』等、音楽作品にソロCD『時計仕掛けのエルメス』等。名古屋学芸大学教授。

 

 

2018/12/13 | Posted by ogura